「夕方になると後頭部から首すじにかけて重くなる」「肩がこると決まって頭が締めつけられる」——こうしたお悩みは、当院にいらっしゃる方からもよくうかがいます。頭が痛いと、つい頭そのものに原因を探してしまいがちですが、首や肩のこりが背景にあることは少なくありません。
この記事では、首こり・肩こりと頭痛の関係を整理し、ご自宅でできるセルフケアと、医療機関への相談を考えたい目安をまとめました。
首こり・肩こりと頭痛はどうつながっているのか
頭や首、肩まわりの筋肉は、頭を支え、姿勢を保つために一日じゅう働いています。長時間のデスクワークやスマートフォンの操作、うつむき姿勢が続くと、首の後ろから肩にかけての筋肉に負担が積み重なりやすくなります。
こうした筋肉のこわばりが続くと、頭を包むように走る筋肉や、後頭部の付け根あたりにも緊張が伝わり、頭が重く感じたり、締めつけられるように感じたりすることがあります。一般に緊張型頭痛と呼ばれるタイプで、頭痛の中でも比較的多いとされています。
緊張型頭痛に多い特徴
あくまで一般的な傾向で、感じ方には個人差がありますが、次のような特徴が挙げられることが多いです。
- 後頭部や側頭部、頭全体が「締めつけられる」「重い」と感じる
- ズキンズキンと脈打つよりは、じわっと続く鈍い痛みが多い
- 首すじや肩のこりを一緒に感じることが多い
- 同じ姿勢が続いた日や、夕方以降に強くなりやすい
一方で、片側がズキンズキンと強く痛む、光や音がつらい、吐き気をともなう、といった場合は片頭痛など別のタイプが関係していることもあります。頭痛にはいくつかの種類があり、対処の考え方も変わってきます。ご自身の頭痛のタイプが気になる方は、症状セルフチェックもあわせてご覧ください。
ご自宅でできるやさしいセルフケア
強く押したり、無理に伸ばしたりする必要はありません。「気持ちいい」と感じる範囲で、こまめに続けることが大切です。
1. こまめに姿勢を変える
同じ姿勢が続くこと自体が、首や肩の負担になります。30分〜1時間に一度は肩を回したり、いすから立ち上がったりして、体勢をリセットしてみてください。
2. 首・肩をあたためる
蒸しタオルや入浴で首の後ろから肩をあたためると、こわばりがゆるみやすくなります。冷えを感じやすい季節は、首もとを冷やさない工夫も役立ちます。
3. 目を休める
目の疲れは首や肩のこりとつながりやすいものです。画面を見続けたときは、遠くをぼんやり見て目を休める時間をつくりましょう。
4. 呼吸をゆっくり整える
緊張が続くと、呼吸が浅くなり肩に力が入りやすくなります。息をゆっくり吐くことを意識するだけでも、肩の力がふっと抜けやすくなります。
セルフケアを行うときの注意
痛みが強いとき、しびれや違和感があるときは、無理に続けないでください。セルフケアはあくまで日常のケアであり、症状を必ず改善させるものではありません。合わないと感じたら中止し、必要に応じて専門家にご相談ください。
こんなときは医療機関へご相談を
多くの緊張型頭痛は日常のケアで対応できることもありますが、次のような場合は、まず医療機関(脳神経内科・脳神経外科など)へのご相談をおすすめします。
- これまで経験したことのない、突然の激しい頭痛
- 手足のしびれ・力の入りにくさ、ろれつが回らないなどをともなう
- 発熱や嘔吐をともなう、意識がぼんやりする
- 頭痛が日ごとに強くなる、頻度が増えている
- 市販の頭痛薬を飲む回数が増えてきた
整体は医療行為ではなく、病気の診断や治療を行うものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。
それでもくり返してしまう方へ
「ケアはしているのに、また戻ってしまう」——そんなときは、姿勢のクセや体の使い方など、ご自身では気づきにくい背景が重なっていることもあります。当院では、痛む場所だけでなく、その方の体全体のパターンから頭痛や肩こりを見つめなおすことを大切にしています。当院の考え方については頭痛の原因についての解説もご覧ください。